こんにちは!現デザイナーで元フォトグラファーのオザワです。
なんでわざわざフォトグラファーアピールをしたかというとですね、良くされる質問で「カメラ始めたいんですけどおすすめはありますか?」という内容が多いんです。
スマートフォンの内蔵カメラのスペックが年々すごくなっていく昨今、本当に一眼レフカメラを勧めるべきか。
これはほんと人それぞれだし、一眼レフの世界は沼なので、基本的には用途がSNSだったり、社内資料くらいの場合はそれこそスマホ内蔵カメラのすごさを力説しています。
そして昨年発売したiPhone11。
デフォルトの機能で一眼みたいなボケ感や広角撮影などができると聞きまして、これは本当に一眼レフは使われない時代が来るのか??と思い緊急企画「一眼レフ VS iPhone11」となったわけです。
(※前回動画作成の備忘録続けますとか言いましたがごめんなさい。いつか書きます)
では早速、一眼レフ VS iPhon11 検証スタート!
第一回戦【持ち運び】対決!
えー。
画像見てもらえば一目瞭然ですが、もうね。
言うまでもないです。
点数でいうなら1点:10点。
スマホ圧勝です。
写真には含まれていませんが、一眼レフの用途によっては三脚、ストロボ、レフ板etc様々な機材が必要になります。
出張撮影に行くときなんか、バック紙(よくモデルさんの後ろに立ててる大きい白い紙)とそのスタンドを持って行くこともあります。
昔、海外に行くときに空港の荷物検査でよく止められてましたね。
山に行くときなんかも通常の装備に+でカメラ機材なのでまず体力が必要になります。
それに比べてスマートフォン。
小さい!軽い!ブログやSNSなどにも即座にアップできる!
フォトグラファーとしては一応一眼レフを擁護したいので言っておきますが、最近のデジタル一眼はwi-fiが使えるものも多く(機種によります)、撮った写真をクラウドやスマホに転送できるので、割とすぐに共有はできます。
それを踏まえても「持ち運び」と言う点では圧倒的にスマホですね。
ちなみに重さですが、
iPhone11 / 194g
PENTAX K-1本体 / 925g
(バッテリー、レンズ無しの状態)
SIGMA 50-500mm望遠レンズ / 1970g
なんでしょうね桁間違えたんですかね?望遠が今回使う中で一番重いレンズなんですが、これをつけてバッテリー×2で合わせて3kg強になります。他のレンズもだいたい300~400gくらいのを3本でさらに1kg強。
そりゃあバックパックも頑丈なものになって行きますよね。
iPhoneなら、パンツのポケットですみますね。
「そう、iPhoneならね。」
第二回戦【料理撮影(マクロ撮影)】対決!
気を取り直して第二回戦!
いくら軽くてもね、かっこよく撮れないとね。
と、言うわけでおそらくこの用途で使う人が一番多いんじゃないかと思われる【料理写真】!
レンズはマクロレンズ(17-70mm F2.8-4.5)を使用しています
また、公平に比較するために写真はデフォルトの機能のみを使用、WB(ホワイトバランス)はオートで撮影、撮影後の加工は無しにしています。
一眼レフ(写真はF3.5)では自然なボケ感とピント部分の輪郭の鮮明さ、コントラストが強く立体感が出ますね。
IPhone11もお米1粒づつがすごくはっきり出ています。特出しているのはこのボケ感でしょうか。これ、F1.4にするよりもボケ感出ているのでは、、、?デフォルトでこれなんですね。。。すごい。。。
ただ、マクロ撮影だとコントラストが低いせいもあってか、鮮明なんですがちょっと立体感は少ない気がします。(ミニチュアっぽい?)
F値を変更して色温度変えたらもっと美味しそうな写真撮れそうな気も。。。
「料理撮影(マクロ撮影)」では一眼レフが雰囲気で押し切って辛勝と言うところでしょうか。
点数は8点:6点くらい?(点数は完全に独断と偏見です。)
大事ですよね。雰囲気イケメン。
第三回戦【ポートレート】対決!
iPhoneのボケ感がすごかったのでポートレートで比べてみましょう!
撮ってみて気づいたのですが、人物撮影をする時って、カメラの位置は被写体の高さの真ん中ぐらいから水平に撮ると綺麗に撮りやすいんですが、スマホだと、いつもより低い位置で撮るって感覚がないのと特有のパース感から少し頭でっかちだったり少し歪んだ写真が多いんですよね。
スマホも腰くらいの高さから撮るとバランス良くなるはずなのでぜひお試しを!
さて、話をポートレートに戻します。
今回のレンズは単焦点レンズ(55mm F1.4)を使用しています。
ボケ感は流石に単焦点レンズの方が被写体が映える感じがしますね。
ただ、iPhone11の少しコントラスト低いけど鮮明な写真は被写体をはっきりと写しますね。
ここで気づいたのですが、iPhoneのボケ感って何かに似てるなって思ったのですが、この感じ、レンズのソレと言うよりはPhotoshopのぼかしツール使ったときのボケ感に似てますね。
被写体深度の浅い時のボケ感をもう少しレンズに寄せたいところではありますが、このレベルがデフォルトってすごいですよね。
もうPhotoshopいらないのでは、、、?
単焦点ほどではないですが、十分な機能なので、一眼レフを1から揃えるかスマホ内臓にするか悩むならスマホですね。
単焦点レンズだけで4~5万するので。
第三回戦「ポートレート」、結果としては単焦点レンズですが、レンズを交換という手間がなくこれだけの写真が撮れているiPhone11。点数はこちらも8点:6点でしょうか。
第四回戦【広角レンズ】対決!
先に言います。一眼レフは魚眼レンズを使用するので広角具合はちょっと卑怯かと思います。
魚眼レンズ(17-10mm F3.5-4.5)
ですので、この対決は標準→広角でどれだけ違うかを比較して行きたいと思います。
まずは一眼レフ
見てお分かりになるかと思いますが、魚眼レンズはパースが湾曲してますよね。これ、レンズが特殊というよりは、カメラの視覚を広げていくと必然的にこうなってしまうんです。
360°カメラはその限界みたいなもので写真の端の部分は円形につながります。また、魚眼レンズも360°カメラも広範囲を撮るためにレンズ部分がどうしてもドーム状に前に出てしまいます。
次にiPhone
標準モードは一眼の35mmとほぼ同じようなパース感ですね。
広角モードはなんと一眼の17mmより広い、、、!
先ほどの「ドーム状レンズ」ついてないのにおそらく15~14mmくらいの広角は出せているんじゃないでしょうか!?
これは正直侮ってました。
この変化率なら得点は7点:8点くらいでiPhoneの勝利ですかね。
ちなみにこの広角モード、気をつけないと自分の指が入り込みます!それくらいすごい!
第五回戦【望遠】対決!
とうとうやってきました。
今日ぼくが重い思いをして運んできたラスボス。
普段はこれで月や花火、飛んでいる鳥などを撮っています。
望遠レンズ(50-500mm F4.5-6.3)
パッと望遠画像だけだとわかりにくいので今回も標準→望遠で比較していきます
まずは一眼レフ
デジタル処理の望遠ではなく純粋なレンズでの望遠です。なので解像度的にはもっとアップで見ても画像は荒れていません。
このくらいでも見れちゃいます!
次はiPhone
まず、スマホカメラの構造上、やや広角レンズに近いため遠くのものは目で見るよりも遠くに写ってしまいます。
そこから10倍ズーム。10倍とはありますが、レンズの10倍と比べるとやや倍率は低いかな?という印象です。
また、デジタル処理のズームなのでここが限界ですね。(ここまでズームして荒れない時点で相当すごいんですけどね)
とはいえ、ここは望遠レンズですね。スマホカメラの苦手な部分でもあるので9点:6点ですかね。
結果!
一眼レフ、トータル33ポイント
iPhone11、トータル36ポイント
サブタイトルの「進化したスマホカメラは一眼レフを超えるのか!?」という部分で見ると、各項目としてはレンズを交換して状況に最適なものを選べる一眼レンズに軍配は上がりましたが、
買うなら汎用性が高くトータルで見てiPhoneをお勧めします!
やはり運びやすくてレンズ交換もなくすぐ撮れる。そしてすぐSNSにアップできる持ち回しの良さは大きいですね。さらに結構本気の一眼レフと比べてここまで近づいているポテンシャルの高さ。
街を歩いていてふと面白いものを見つけた時すぐ撮れるのはユーザーにとってすごく重要なんじゃないでしょうか?
コンパクトデジカメはおろか一眼レフの標準レンズセットを買うくらいならまずはスマホですね!
色々撮ってみてさらにそれ以上の質感だったり鮮やかさや濃淡などを追求するのであれば一眼レフですが、instagramやアプリで色々と簡単に補正もできてしまうので、そういう意味でも昨今のスマートフォンは相当優秀なのではないでしょうか?
(※企業案件ではありません。案件いただける場合は要相談で!)
今回、動画の撮影はしなかったのですが、これについては今後5Gになった時にまたスペックが跳ね上がるんだと思います。
2020年、今年は動画コンテンツがより定着すると各所で言われていますので、スマホが5Gに対応した超高画質、大容量の動画を撮れるようになったら、次は動画比較をしようかなと思います。
この記事を書いた人
小沢 博之webディレクター/アートディレクター
PA→カメラマン→グラフィックデザイナー→アパレルメーカーのプレスを経て現在。なぜか調理師免許と古物商の免許がある。